マルチシナリオ採用の推理ノベル
発売日 | 2000年12月16日 |
価格 | 4500円(税別) |
ジャンル | 推理ノベル |
発売 | バンプレスト |
VC | ―― |
ゲームボーイカラー | ○ |
ゲームボーイ | ○ |
SGB | ○ |
赤外線通信 | × |
通信ケーブル | × |
ポケットプリンタ | × |
「ジッチャンの名にかけて!」等で有名な、漫画やアニメで人気の、「金田一少年の事件簿」がゲームボーイにも登場。原作が一旦終了したということもあってか、このソフトが出た2000年の12月以降DSでソフトが出るまで、「金田一少年の事件簿」のゲームは発売していなかったそうです。
今作に出てくる原作のキャラクターは、「金田一 一」、「七瀬 美雪」、「明智 健悟」の3人で、後はゲームオリジナルキャラクターとなっています。残念ながら剣持警部や、ビデオカメラを持ち歩く友人等は、ゲーム中の会話でちょろっと出てくるだけで登場はしません。
このゲームは、「ノベルパート」、「操作パート」を交互に繰り返して推理に必要な情報を揃えていきます。そして、最後に集めた情報を利用して真犯人を当てるのが目的となっています。操作パートでは一定回数任意の場所を調査することができます。ノベルパートの選択肢だけではなく、操作パートも真相解明には重要な要素となっています。また、マルチシナリオということで途中の選択肢で大きく分けて2つのシナリオに分岐します。両方のシナリオをクリアすることで、この舞台の人間関係や真相が明かされるようになっています。
ノベルゲームということで、「セーブ&ロード機能」、「回想機能」、「アドバイス機能」、「読破率表示」、「クリア情報」といった最低限必要な機能は搭載されています。
今作では何故か明智警視(金田一のライバル的キャラ)がやたらとプッシュされています。メニューに謎のメガネモード(明智警視によるアドバイス機能。結構重要な事もいってますが基本的に嫌味を言うだけ)が搭載されており、本編以上にアニメーションする美麗グラフィックが複数用意されていたりします。また、オマケ要素として明智警視のなんだかよくわからないムフフ画像があったりと、誰向けなのか良くわかりませんが、恐らくその手のファンには嬉しい要素が収録されていたりします。
一部不自然な部分もありますが、GBC対応ソフトだけあってグラフィックはなかなかよく再現できていると思います。シナリオも全体を通してみれば悪くないと思います。2つのルートを進めれば事件の背景がわかるようになる、というのはなかなか面白いです。真エンディングはそれまでのモヤモヤが晴れる内容になっているため、是非、真エンディングまで辿り着いて欲しいですね。ただし、攻略情報無しで真エンディングに辿り着くのはかなり難しくなっています。明智警視のヒントや、セーブ、メモを駆使すればいずれ辿り着ける範囲ではあるので、自力で解きたい方は頑張ってみてください。
それぞれのルートの内容についてですが、Aルートのシナリオやトリックはそれなりに説得力があり、複線等もしっかり使われているため十分楽しめる内容だと思います。しかし、難易度がちょっと高めで、完全に自力で推理するのはちょっと難しいように感じました。Bルートの方はシナリオやトリック等含め、正直今ひとつ。こちらのルートは難易度も低く、ちょっとどうなのよ、って感じもしますが、難易度が低い分プレイヤー自信が名探偵になれる可能性が高い!ということで、それはそれでいいのかもしれません。Aルートは本筋で高難易度、Bルートは低難易度、としてバランスを取っているとみることもできそうです。
マルチシナリオ制で周回プレイが前提のゲームとなっていますが、早送りが非常に遅いという大きな欠点があります。早送り状態でも普通に文章が読めるぐらい遅いです。またセーブ数も3つまでとなっているため、周回プレイをするには快適とは言い難い内容となっています。Aルート、Bルートの攻略と真エンディングを目指した場合、プレイ時間は10時間を越えるぐらいですが、そういった欠点から若干水増し感はあります。
Aルートの推理部分は結構本格的で、真相を暴いていくところなどは原作の雰囲気が良く再現されています。また、シナリオについても真エンディングは大変よく出来ているのではないかと思います。
レスポンスの悪さや、セーブ数の問題等がありますが、「金田一少年の事件簿」のファンであれば十分に楽しめる内容だと思います。
評価:★★★☆
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