練り込み不足は否めない
発売日 | 1991年6月28日 |
価格 | 3980円(税別) |
ジャンル | ボードゲーム |
発売 | タカラ |
VC | ―― |
ゲームボーイカラー | ― |
ゲームボーイ | ○ |
SGB | ― |
赤外線通信 | × |
通信ケーブル | ○ |
ポケットプリンタ | × |
定番ボードゲーム「人生ゲーム」をゲーム化。どうやら人生ゲームのゲーム化はこれが初めてのようです。
後に、ファミコンやスーパーファミコンでもシリーズが何本も発売され、人気を高めていきました。ゲームボーイでもこの他数本発売されています。2010年現在も新作が発売されるなどご長寿シリーズですね。
基本的にはボードゲームの人生ゲームと同じようなルールです。1~10までの数が書かれたルーレット(レール)を回して、出た数字の分だけボード上を進み、止まったマスでお金を増やしたり減らしたりしながらゴールを目指していきます。全員がゴールした後には王様から評価を貰うことができ、どうやら15万以上所持した状態で終了するとエンディングが見れるようです。ランキング発表みたいな物は特にありません。
ちなみに、肝であるルーレットは、始動させるのみで自分で止める事はできません。ルーレット一つで全ての運命が決まってしまうシステムなだけに、何だかコンピューターに翻弄されている気分になります。
このゲームは後のシリーズと比べると、非常にシンプルな内容になっています。マスは通常マス、特定イベントマス、戦闘マス、転職マス、カジノマスぐらいしかなく、通常マスのイベントもほぼテキストオンリーで、所持金が増減するだけという物です。最後の最後には、所持金が0か倍になるギャンブルがあります。当然負ければ0となり、それまでの努力が水泡に帰すわけです。
カジノマスでは3種類のミニゲームのうちどれか一つをランダムで楽しむ事ができ、ミニゲームを成功させるとお金を手に入れることができます。内容はカードめくり、もぐら叩き、スロットと単純な物。カジノが終わった次の番に奇数を出せばもう一度カジノで遊ぶ事ができます。転職マス(訓練所)は通過することで職業を変えることができます。転職用の10マスぐらいのマップに飛ばされて、そこを出る時に指定金額以上稼げていれば転職成功となります。職業は、「剣士」、「盗賊」、「魔法使い」、「商人」が選べます。職業によって通常マスのイベントが一部変わり、その時得られる収入が変わってきます。
ちなみに対人戦も出来るようですが、必要台数のソフトと本体が必要なため敷居はかなり高いです。一つの本体を順番に回していくという発想は、まだ思いつかなかったようですね。
このゲームは一番最後にゴールした方が基本的に有利、というなんとも恐ろしいシステムになっています。先にゴールした所でボーナスもなく、只管相手が終わるのを待つだけ。金額がプラスになるイベントの方が多いため(正確には資金が減る時は小額ですが増えるときはそれよりも多い金額)、少しでも多くのマスに止まった方が有利です。転職マスで転職する事によって+10マス、カジノマスでは次の番に奇数を出せばそのままカジノ継続、というシステムのため、これらを駆使して出来るだけゴールを引き伸ばしながら、ゆっくり進めていくやり方となってしまいます。
もしも、ルーレットでガンガンでかい数字を出してしまったら、目も当てられない状況となります。普通であれば、1が続くとがっくり来るはずですが、このゲームでは正反対です。対人戦では、無意味な待ち時間が、「メリット無し」で発生してしまうため、通常の人生ゲームよりもストレスが貯まる仕様となってしまっています。
CPU戦はもっとひどく、全ての転職マスに止まり、カジノマスでも「無意味」に引き伸ばす行動を取ってきます。もしも、先にゴールしてしまったら、CPUが終わるまで待ってなくてはならず、待ってる間も自分の番にボタンを押さなければならないため、放置しておくわけにもいきません。
一応ボードゲームであるため、対人戦を行えば(準備するまで敷居は高いですが‥)それなりには楽しめると思います。ただし、イベントも地味な物しかなく引き伸ばし有利なため、敢えてこのゲームを選ぶ意味はほとんど感じられませんが‥
一人用モードとしては、CPUがサクサク進んでくれてればまだなんとかなったものの、CPUも引き伸ばし戦術をとってくるため、あまりやる気にはなれないかもしれません。マップ自体はそれほど長くないため、時間に余裕があって、CPUの行動に一喜一憂(イベントが地味な上に少ないため、リアクションは難しいですが‥)出来る方なら楽しめるんじゃないでしょうか。また、マゾっ気のある方で最後のギャンブルに勝つ自信があれば、15万以上所持してゴール、とかを目標にしても楽しめるかもしれません。
もう少しイベントやシステムに工夫があれば楽しめたと思います。とりあえず試作品を作ってそれをそのまま売ってしまった感じです。まぁ、ゲームボーイ初期頃の作品であるため、この辺の粗さはしょうがないかもしれません。以上、普通の人には正直あまりお薦め出来ない作品かなと思います。
評価:★☆
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